Lorenz96モデルは、大気科学などの分野で用いられる非線形モデルです。Pythonを用いてこのモデルをシミュレートする方法について解説します。
Lorenz96モデルとは
Lorenz96モデルは、以下のような非線形偏微分方程式で表されます。
$$ \frac{dx_i}{dt}=(x_{i+1}-x_{i-2})x_{i-1}-x_i+F $$
ここで、$x_i$は$i$番目の変数、$F$は外力、$i+1$は$i$を中心とした右隣、$i-1$は$i$を中心とした左隣、$i-2$は$i$を中心とした左から2番目の変数を表します。
Lorenz96モデルをPythonでシミュレートする
Lorenz96モデルをPythonでシミュレートするためには、NumPyを用いて差分方程式を数値的に解く必要があります。以下は、Lorenz96モデルをシミュレートするためのPythonコードの例です。
import numpy as np
def lorenz96(x, F):
dx = np.zeros_like(x)
for i in range(len(x)):
dx[i] = (x[(i+1)%len(x)] - x[(i-2)%len(x)])*x[(i-1)%len(x)] - x[i] + F
return dx
def simulate_lorenz96(x0, F, dt, n_steps):
x = np.array(x0)
result = [x]
for i in range(n_steps):
dx = lorenz96(x, F)
x += dt*dx
result.append(x)
return np.array(result)
このコードでは、lorenz96関数で差分方程式を解き、simulate_lorenz96関数で数値的に解を求めます。x0は初期状態、Fは外力、dtは時間刻み幅、n_stepsはシミュレーションのステップ数を表します。
結果の可視化
シミュレーション結果は、Matplotlibを用いて可視化することができます。以下は、可視化するためのPythonコードの例です。
import matplotlib.pyplot as plt
result = simulate_lorenz96([0]*10, 8, 0.01, 1000)
plt.plot(result[:, 0], label="x1")
plt.plot(result[:, 1], label="x2")
plt.plot(result[:, 2], label="x3")
plt.legend()
plt.show()
このコードでは、simulate_lorenz96関数で得られた結果を可視化しています。result[:, i]は
$i$番目の変数の時間変化を表し、plt.plotで折れ線グラフとして表示しています。
まとめ
PythonとNumPyを用いることで、Lorenz96モデルをシミュレートすることができます。また、Matplotlibを用いることで、シミュレーション結果を可視化することもできます。