Pythonのライブラリには、標準ライブラリだけでなく多くのニッチなライブラリが存在します。今回はその中でも、ターミナル画面を装飾するのに便利なライブラリ「rich」を紹介します。

richとは

richは、ターミナル画面で文字列を装飾するためのPythonライブラリです。以下のような機能があります。

  • 色の設定
  • フォーマットの設定
  • プログレスバーの表示
  • 表の表示

など、ターミナル画面での出力を見やすくするための様々な機能が備わっています。

richのインストール

richを使用するには、まずインストールが必要です。以下のコマンドを実行してください。

pip install rich

richの使い方

色の設定

richを使うと、ターミナル画面で文字列に色をつけることができます。以下のようなコードを書くことで、文字列に色をつけることができます。

from rich.console import Console

console = Console()
console.print("[bold red]Hello, World![/bold red]")

上記の例では、"[bold red]“と”[/bold red]“で囲まれた部分が、赤い太字で表示されます。

フォーマットの設定

richを使うと、ターミナル画面で文字列のフォーマットを指定することができます。以下のようなコードを書くことで、文字列のフォーマットを指定することができます。

from rich.console import Console
from rich.text import Text

console = Console()
text = Text("Hello, World!")
text.stylize("bold underline green on black")
console.print(text)

上記の例では、“bold underline green on black"というフォーマットが指定されており、文字列が太字でアンダーラインを引き、緑の文字色で黒い背景に表示されます。

プログレスバーの表示

richを使うと、ターミナル画面でプログレスバーを表示することができます。以下のようなコードを書くことで、プログレスバーを表示することができます。

from rich.progress import track

for i in track(range(100), description="Processing..."):
    # 処理

上記の例では、range(100)の各要素に対して、プログレスバーが表示されます。また、プログレスバーの横には"description"で指定された文字列が表示 されます。

表の表示

richを使うと、ターミナル画面で表を表示することができます。以下のようなコードを書くことで、表を表示することができます。

from rich.console import Console
from rich.table import Table

console = Console()
table = Table(show_header=True, header_style="bold magenta")
table.add_column("Name", style="dim", width=12)
table.add_column("Age", style="dim", width=8)
table.add_column("Country", style="dim", width=15)
table.add_row("Alice", "25", "Japan")
table.add_row("Bob", "30", "USA")
table.add_row("Charlie", "35", "Australia")
console.print(table)

上記の例では、“add_column"メソッドで列を定義し、“add_row"メソッドで行を追加しています。また、“show_header"にTrueを指定することで、ヘッダーを表示しています。

まとめ

richは、ターミナル画面で文字列を装飾するためのPythonライブラリです。色の設定やフォーマットの設定、プログレスバーの表示、表の表示など、様々な機能があります。これらの機能を駆使して、ターミナル画面での出力を見やすくしましょう。